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喪服日誌

唐揚げだけが人生だ。/@yuki_mofk

2015.07.08

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巷では鳴き出したと伝え聞きつつ、心の片隅では聞くまい、聞きたくないと思っていた蝉の鳴き声が、ごく小さな音で鳴っているのを確かに聞いた。まだ梅雨の渦中としても、蝉が鳴けば夏の始まりであるし、それを実家の6畳の自室のベッドの上で聞こうものなら、学生時代の怠惰な夏休みが思い出されるようであった。朝7時に目が覚めたはずなのに、PSVITAとかいう面白いやつをしていたら3時間ほど経っていた。久しぶりの実家は庭に匠の技が施され新しい庭園が出来ていたり、取り壊した祖父母の家からやってきた家財の一部がスペースを圧迫させているなどの変化ぶり。自室にはかつて中学校の制服が入っていた学生服の箱があって、何かと開けてみたら祖父のネクタイがみっちり詰まっていた。祖父の遺品なのだが、それにしても数は多いし、およそ平成生まれの若者が結ぶ色柄でもない。その中から数本だけ選んで、空にしたカバンに詰めた。思えば、祖父がネクタイを締めた姿を一度も見たことがなかった。世の孫たちは大抵そうなのかもしれないが、なんとなく残念に思った。祖父が亡くなった時もそう思ったのだが、今年は漠然と、家族に何か変化が訪れそうな一年になる予感がある。だからだろうか、昨夜は家に着くなり、両親に普段話さない仕事のことやそれに対する近頃の考えをどっと話してしまった。具体的には転職の話。咎められることも共感してくることもなく、淡々と再就職先を探さないと、という話になった。放任という訳ではないだろうが、両親は心配こそすれど、「家」だとか「家族」として干渉することはあまりない。この事に関してはいつか適切な言葉を探して、結婚式のスピーチにでも話してみようと思う。この家の子でよかったな、と。歯を磨きながら思った独身の昼であった。