喪服日誌

唐揚げだけが人生だ。/@yuki_mofk

2015.09.11

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大雨がクレッシェンドで道路や窓を叩いている時は、長い長いスタンディングオベーションの只中にいるような気分でどうにも落ち着かなかった。紅の人たちがドラムセットをぶち壊すような派手な音が聞こえてきて、何事かと窓の外を見たら近所で交通事故が起きていた。自転車がBMWに突き飛ばされて道路に倒れる音だったらしい。自転車に乗っていたらしい女性を車の持ち主が介抱していて、雨は降り続いていて、手元の携帯電話は緊急速報のメロディを歌う。ニュースでは物凄い質量の水が家を押し流していて、ヘリコプターが拾ってきた人々にマイクを突き付けて話を伺う様子を繰り返し報道していた。震災の頃を思い出してそわそわした。あの時は部屋の学習机に潜り込んで揺れの収まりを待っていた。今の部屋には潜り込める場所はない。今住んでいる所は水害に縁がなさそうだけど、根元からばったり崩落したらどうしよう、というあり得ない不安が浮かぶ。不安。不安を収めるために人はお金を払うのだという話はだいぶ前にしたけど、つまり物欲って不安なんじゃないかな。諦めたら無くなるものだしさ。