喪服日誌

唐揚げだけが人生だ。/@yuki_mofk

2016.02.28

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久しぶりに眠れなくなった。最近契約を再開したhuluでフラッシュ(海外ドラマ)を見続けるのが近頃の日課で、それを見ながらベッドの上で意識がなくなり、目が覚めたら時計は深夜1時を指していた。まぶたが閉まる前に洗濯機が仕事を終えてそのままになっていることを思いだしてベッドから滑り落ちる。洗濯物をいつものように脱衣所に掛けた突っ張り棒に干す。突っ張り出してもうすぐ2年、どんなものを干しても微動だにせず黙々と洗濯物を下げるこの棒を誇らしく見上げていたら、まさにその時そいつが陥落した。数秒前まで頼もしく思えていたそいつは途端に場所を取る棒になってしまって、どんくさい奴のどんくさい作業を目にした時のような気持ちが湧きあがる。足元に雪崩のように積み重なったハンガーと衣類を拾い上げながら、この気持ちの変化は人間関係にも当てはまるような気がして、でもうまく言葉にならず心を濁らせた。ハンガーを掛けられる扉の枠や収納棚の空きスペースに服を並べ、乾燥機の電源を入れる。ごうごうと風を吹く乾燥機の音を聞きながら部屋の電気を消して布団に入るが、睡魔はやってこない。目を閉じればいずれは、と思ったが、眼球が乾燥したような感触が気になって仕方ない。最近目が仕事と花粉によって大きくダメージを受けている。眼球をドライヤーの熱風でカラカラにしたような感じだ。洗眼液で洗ってもその感覚は拭えず、うんうんと唸っていたら3時を過ぎた。その後は開き直ってまた動画を見ていたら徐々に睡魔が戻ってきたのでようやく眠れたという顛末。深夜の、普段なら寝ている時間に不意に放り出されると、何をしていいのかわからなかった。来たはいいが帰り道がわからないような、帰らなければならないことは分かっているのに、為す術がないような。就寝して意識のない時間は体が休まること以外は無に等しいもので、それは死んでいるに近い。生きることを放棄している時間帯に放り出されたということだ。それは孤独で、どうしようもなくて、価値のないものだったけど、あの暗闇と永遠のような夜にいつか救われる日が来るのかもしれない。でも来ない確率の方が高いだろうな。良い子は寝る時間だし。