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喪服日誌

唐揚げだけが人生だ。/@yuki_mofk

午後1時の憂鬱

細かくなった野菜くずを茹でて、インスタントの塩ラーメンと一緒に食べた。砂の色を想起させる濁ったスープは平日昼間そのもののような味がした。テレビでは浅黒い肌の司会者が関西弁で何かをわめき立てているが、ぼんやりとした頭には情報が入ってこない。ただでさえ情勢が不安定な社会の動向に乱暴に指を突っ込んで、少しは面白い話にしているつもりなのだろうか。鳥のさえずりの方がいくらか耳に心地良いが、窓の外に並び立つ針葉樹の枝には彼らの姿はなかった。彼らも命を繋ぐことに忙しいのだろう。空は退屈な水色が一面を占めていて、太陽だけがそこにあった。地表を温める光は気温を例年より高いものにしていて、乾燥した風が砂埃を纏い、世界をかさついた感触に変えようとしていた。水色が霞んでいる気がするのはそのせいだろう。晴天の下、外に出るのを億劫に思った。微動だにしない窓の外に視線を注ぐのを諦めて、空いた食器を持って立ち上がる。少し煤けたフローリングに乾いた素足が触れる。食器はまだ温かかったが、冷水を浴びせて泡を付けて撫で回してやると、さっき中身を満たしていたものの事など忘れたように顔を光らせた。また今夜には別のもので満たしてやるつもりだが、決めあぐねているうちにだらしなく口が開く。怠惰そのものを包んだようなあくびが出てしまった。今日はさして忙しい用事がある訳じゃなかった。このあくびが誘う微睡みに身を任せるのもひとつの過ごし方だが、それは退屈過ぎる。買い物はどうか。消耗品の類いはついこの前買い揃えたばかりだった。趣味に走ってみるか。趣味?あたしの趣味ってなんだっけ。また腰を落ち着けたカーペットが映し放つ体温と、かすんだ空の色と、頂点より西に傾きかけた太陽が、ただただ疎ましかった。