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喪服日誌

唐揚げだけが人生だ。/@yuki_mofk

2015.12.03

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12月になったのに雪が降らない!と騒ぎたてていたのがいつの頃だったのか。もうそれが当たり前になってしまっている2015年の冬は、去年から居座り続けていたストーブの中の灯油が切れた事から始まった。近所のガソリンスタンドから18リットルの灯油を自宅に招き入れるため、重たい赤い箱を右手左手と持ち手を代えながら、これは筋トレだと自分に言い聞かせつつ道を歩く。住んでいる町の半分はラブホテルが乱立していて、もう半分は分譲と賃貸のマンション達と、古くから住む人々の住宅と、小学校が占めている。嘘みたいな町だと思う。大人の汚い部分と教育施設がほど近い場所にあって、生活を営む場所がその間を埋めている。もっと言えば、ラブホテルを抜けて通りを一つ跨げば、県内一の歓楽街にすぐ行けてしまう。嘘みたいな町だと思う。訪れた客を気持ちよくする為にお酒とか性とかを売りにしていろんな事をして、財布の紐が緩んで、一夜にしていろんな都合でお金が動く。汚らわしいと吐き捨てる人もいるけれど、それも結局はビジネスであって、求める人がいるから与える人も生まれていて、その関係はサラリーマンや”クリーン”なお仕事をしている人となんら変わりない。そういう人たちにも好きな人がいて、家族があって、生活がある。この町の保育所には23時になっても子供がいて、明かりを暗くした施設では保育士の方が事務仕事をしている。その子達と晩御飯を一緒に食べれないお母さんやお父さんがいる。彼らにとってはそれが日常。哀れんだりする方が失礼な話。たまたま昼に生き世間一般の群れの中に収まった人間が、「夜のお仕事」と人様を指差してどうこう言うのは何なんだろうな、と、古びたラブホテルの脇を灯油を運びながら思う。町自体に深い思い入れはないし、いつか故郷に帰ろうという考えだけれど、この町で見た景色とか、女子高生の制服を着てタバコを吸う女性の後ろ姿とか、忘れないで持ち帰ることが色々あって、また脳みそのしわが一つ増えるのであった。